2007-11-28

学生実験レポートを書くときのこころがけ

何の因果か、あれから10年経った今、また学生実験レポートを書いている。

リハビリにだってEvidence-basedなMedicine(略してEBM)であることが求められているのだ。医学を研究する医者がいるように、理学療法学や運動学や生理学を研究する理学療法士がいるんですよ。で、研究の基礎トレーニングのための授業がある、と。やれやれ。

学生実験レポートを書くに当たって気が付いたことがあるので、こころがけとして整理してみる。

その1:どこの学校でも言われそうなこと。
まあ、基本は大事ですよね。
  • 方法は現在形で、結果は過去形で書く
  • 客観的な事実と自分の考えを分けて書く
  • 自分の考えを述べるときは、その根拠と考えの道筋を明らかにする
  • 明示的に書く書かないは別として、主語はいつも明確にしておく
  • 一つの文はできるだけ短くする
  • 文と文との関係をあきらかにするため接続詞を活用する
  • 要するに何が言いたいのか、明らかにする
  • はじめに結論を書いて、その後に説明を書く

その2:10年目にしてようやくわかったこと
  • 読み手(先生)に示すべきなのは、オリジナリティではなくテーマに対する理解
読み手のことを考えて書けとはよく言われるけど、学生実験レポートの読み手は先生。自分達より実験テーマに精通した人に向かって一体何を述べよというのか、大学生の頃には皆目見当がつかなかった。10年目にしてやっとわかったよ。

理解度を示すには、人に教えているところを見せればいい。すなわち、クラスメイトに教えるように書く。(おじーちゃんおばーちゃんや、年の離れた弟妹に教えるように書くと、長すぎたり浅すぎたりする) あるいは実験方法とその結果を根拠に、テーマとなる考えについて丁寧に述べる。

オリジナルの研究をするための基礎的なトレーニングだからといって、独創的な考察をする必要はない。まあ、先生の好みにもよるけど、人と違うものを書く必要はない場合の方が多いんじゃないかな。もし人と違うものを書こうとするなら、自分であれこれひねり出すより、圧倒的に膨大な量の資料に当たった方が良い。

おっと、書きながらもう一つ気付いた。

  • 文献は、考察に根拠を与えたり広がりをもたせたりするために使う。正解を探すためではない。


その3:すごいレポートを書こうとして、自分でハードルを上げすぎてしまわないために
  • 俺らアーティストじゃなくて職人ですから、特別なものを書かなくていいんです。
わかりやすい文を丁寧に書く。事実をていねいに写し取る。考察の過程を丁寧に述べる。左から右物を動かすように、淡々と文書を作成する。こんなのはただの事務仕事だ。冗長さを恐れず、おなじ表現を使った対比・並列をする。それが読み手にとって判りやすいと思うのならば。

結果として、職人の作る道具に"用の美"が現れるように、美しいレポートになるといいなと願う。

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